2020年 07月 Accuphase E-650 試聴レポート

2020年3月に当店で約1ヵ月間、Accuphaseのフリー試聴会を催しました。
E-650の試聴レポートを書こうと思いつつ、7月になってしまいました。
しかも、撮った写真ファイルを削除するという、痛恨のミス付きです。
申し訳ないですが、何となく字面で雰囲気を感じ取って頂ければ幸いです。
長い言い訳になりましたが、E-650の試聴レポートをします。
創立40周年記念モデルE-600の後継機で、2017年11月に発売されました。
E-650はプリメインアンプで、定価が73万円(税抜)になります。

試聴に使用した機種は下記の通りです。
Accuphase DP-560 / 600,000円(税別)- SACDプレーヤー
Accuphase E-650 / 730,000円(税別)- プリメインアンプ
Accuphase PS-530 / 430,000円(税別)- クリーン電源
TANNOY Stirling GR / 800,000円(税別/ペア)- スピーカー

意匠について

もはや説明不要のAccuphaseと一目でわかるデザインです。
入力セレクター下の"Class A"の表記とバーグラフ・メーターが、
本機がA級プリメインアンプである事を教えてくれます。
細かい所も変わっているのですが、ほぼ間違い探しの領域です。
改めて文章に起こすと、このシリーズの完成度の高さを感じます。

技術について

"Balanced AAVA方式"の採用や"インスツルメンテーション・アンプ"構成など、
E-800と同じく入力から出力まで完全バランス構成を実現したアンプです。
前作のE-600がダンピング・ファクター"500"に対してE-650は"800"と大幅に更新、
出力はA級30W(8Ω)で前作と同じですが、回路や部品類は大幅に強化されています。

音質について

ややフォーマルよりのサウンドではありますが、程良く締まった音質です。
前作に比べてノイズ感が非常に低く、奥行き感のある空間を演出してくれます。
音と音の間の空間を明確に書き出し、クリアで正確に音像を立てる印象です。
この辺りは、"Balanced AAVA方式"の採用が利いているように思います。
最低域や最高域を無理に引き延ばした感じが無く、うまく纏められています。
この辺りは、トランスやコンデンサー類の設計の上手さが表れています。
音の重心も低く、安定感が有るのですが、それをあまり意識させません。
JAZZのウッドベースやクラシックのストリングスの低域辺りの表現が、
膨らみ過ぎず、抑え込み過ぎず、程よい塩梅で冷静にコントロール出来ています。
今回使用したTANNOY Stirling GRと同様に、英国系の伝統的な箱鳴りを生かした
スピーカーシステムに合わすと、このアンプの特徴が最大に生きると思います。
E-800と同様、Accuphase社の新しい息吹きを感じ取れる仕上がりであると言えます。

試聴を終えて

まず、前作E-600は記念モデルの名に恥じない熱いサウンドを聴かせてくれた傑作機でした。
本題のE-650ですが、その奏でるサウンドは前作とは異なる魅力を私に魅せてくれました。
E-600が情熱的で活発な太陽のイメージに対して、E-650は理知的で繊細な月のイメージです。
最初は、やや物静かな印象ですが、聴き進める度に内に秘めた"熱い"部分を魅せてくれます。
上手くセッティングすれば、住空間に溶け込んだ音響空間を提供してくれると思います。
プリメインアンプの最上位機種の座はE-800に譲りましたが、むしろ設置サイズはE-650の
方が現実的であると言え、プリメインアンプ群の新しい価値を築いていくと思います。
ただ余計な心配かも知れませんが、型番が50単位で進んでいるのに、
上位機種が800になった事で後継機種の番号が残り少ないのが心配です。
次回作は思い切って"660"と10番単位で進めた方がよいかも?と余計な心配をするのでした。

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