2019年 11月 Mark Levinson No.5805 試聴レポート

米国のハイエンドメーカー、Mark Levinsonの新ラインナップ5000シリーズの紹介です。
ついに、100万円を切るアンプが登場!国内メーカーの牙城に攻め込む戦略機の投入です。
今回は、新型プリメインアンプNo.5805(定価:85万円/税抜)について試聴レポートします。

試聴に使用した機種は下記の通りです。
Mark Levinson No.519 / 2,150,000円(税抜)- プレーヤー
Mark Levinson No.5805 / 850,000円(税抜)- アンプ
JBL L100 Classic / 456,000円(税抜/ペア)- スピーカー

意匠について

顔となる前面パネルは、25mm厚アルミ削り出しパネルに黒色アルマイト処理とブラスト加工を施しています。
新たに設けられた中央のガラスディスプレイとの連続性を保つ滑らかで質の高い仕上げになっています。
白い砂時計型ノブはアルミの削り出しを使用、手になじむクリアーアルマイト処理とブラスト仕上げ
のものを左右に配置、シンプルながらMark Levinsonのデザイン思想を見事に再現しています。
5000シリーズが伝統を踏襲しつつ、新しい世代にもアピールする意気込みが感じられる印象です。
操作のほとんどは、新規に製作された付属のリモコンで快適にコントロール出来ます。
シンプルでモダンなデザインは、あらゆる居住空間で違和感なく設置することが可能です。

技術について

上位機種No.585,5を踏襲する様な美しく、シンプルな左右対称の内部レイアウトです。
この美しいレイアウトは見た目だけでなく、Levinson自慢のデュアルモノラル構成のAクラス増幅の
プリ部、ABクラス増幅のパワー部で125W/ch(8Ω)の余裕のある出力を確保しています。
高品位な回路や部品類を効率良く配置、アナログ方式にこだわった回路構成です。
近年のレビンソンの特徴でもあるデジタル入力部分の設計も抜かりなく、No500シリーズ同様に
Mark Levinson PrecisionLink II DACを採用、USB DAC機能(PCMは384kHz/32bit、DSDは11.2MHz)
内蔵の他、MQAファイルの再生、Bluetoothレシーバー搭載、AptX-HD再生にも準拠しています。
更にMM/MC対応のフォノアンプも内蔵、時代のニーズに的確に答えた仕様となっています。

音質について

まず、断っておきたいのが使用したプレーヤーがNo.519(215万円/税抜)であることと、
スケジュールの都合で、デジタル入力類(USB-DACなど)を試していないです。
新型SACDプレーヤーNo.5101(60万円/税抜)を使う予定でしたが、デモ機が用意出来ませんでした。
よって、上記条件でのレポートになります。
音質は、歯切れが良くボリュームを上げても音の滲みや不安定さはありません。
左右奥行き方向の音場もキッチリと表現され、ハイエンド系アンプの基本性能を満たしています。
No.5805アンプの特徴としては、より音が前に張り出してくるアメリカンサウンドと言えます。
サウンドは小気味の良い明るめのサウンドで、気持ちよく吹きあがる印象です。
サックスやトランペットなど、ブラス系の少し乾いた音を軽快に鳴らしてくれる印象です。
特に洋楽との相性が良く、マイケルジャクソンやクイーンなど80年代に活躍したアーティスト
たちの楽曲とNo.5805のアンプは相性が良いように感じました。
80年代の洋楽は、音楽配信などでも広くアクセスが出来るので、
最新で多彩なデジタル機能を備えるNo.5805には大きなアドバンテージと言えます。
アナログレコードと配信の両方にアクセス出来る魅力は大きいと思います。

試聴を終えて

まず、100万円を切ったLevinsonが登場したことが一番の驚きでしょう。
アンプのNo.5805が85万円(税抜)、SACDプレーヤーのNo.5101が60万円(税抜)
と言う価格設定は、Mark Levinsonの日本市場に対する力の入れようが伺い知れます。
Levinsonは、設計開発から生産までの全ての工程をアメリカ国内で行っています。
この徹底した管理体制が、製品のクオリティーとして私たちの手元に届くのです。
現在、国内市場では各社70万~100万円台のプレミアム・プリメインアンプが活況です。
この価格帯にNo.5805が参入することで、各陣営の動向が注目されます。
機会があれば、No.5805とNo.5101の組み合わせを試してみたく思います。
Mark Levinsonやセパレートアンプを諦めかけた方にも是非、おすすめしたいアンプです。

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