2020年 02月 marantz PM-12 OSE 試聴レポート

今回は、marantz社の新製品SA-12 OSEとPM-12 OSEの試聴レポートをします。
OSEとは、“Original Special Edition”の略で、ベースモデルに
特別なチューニングを施したスペシャルモデルになります。
PM-12 OSEは定価35万円(税別)でベースモデルより+5万円になります。
ここでは、PM-12 OSEについて試聴レポートしていきます。

試聴に使用した機種は下記の通りです。
marantz SA-12 OSE/ 350,000円(税別)- SACDプレーヤー
marantz PM-12 OSE/ 350,000円(税別)- プリメインアンプ
B&W 805D3 ローズナット / 880,000円(税抜/ペア)- スピーカー

意匠について

基本的には、ベースモデルのPM-12と同じお馴染のデザインです。
シャーシの銅メッキ化や天板のアルミパネル採用など、
上位機種と同様、高級感が増すと共に音質アップに貢献します。
フロントのブランドロゴの右側に"OriginalSE"と薄く刻印されており、
このモデルが特別であることをさり気なく主張しています。

技術について

基本ベースモデルの音質傾向を守る為、敢えてコンデンサー変更は行わず、
従来の抵抗を金属皮膜抵抗に置き換えてグレードアップを図っています。
OSE化に伴い下記の通り、箱(本体)に大きくメスが入りました。
・銅メッキシャーシを採用(ベースモデルは鉄板)
・天板に5mm厚のアルミパネルの採用(ベースモデルは鉄板)
・アルミの削り出しインシュレーターの採用(ベースモデルはアルミダイキャスト)など
車に例えると、車体のフレーム(骨格・枠)を材質から見直してよりボディ剛性を高めたイメージです。
本体剛性が上がることにより、振動から部品類を守ると共に、安定した動作が期待出来ます。

音質について

従来モデルよりS/N感が増し、ノイズ感が低減、音の重心が下がった印象です。
音の土台が太く安定した分、上に乗る中高域も相対的にのびやかに鳴ってくれます。
marantzのボリュームはゲインの設定上、他のメーカーより少し上げる必要がありますが、
小音量時でも細く痩せること無く、安定して音楽鑑賞を楽しめます。
また、音の制動(ブレーキ)が良く、勢い良く音が吹きあがっても"ピタッ"と止まる印象です。
能率の低いスピーカーやJBLなど大型ウーハー搭載モデルも無難に対応してくれそうです。
ベースモデルよりS/N感が向上した分、後方への音の広がりが良く、
B&Wなどのモニター系のスピーカーはとても見通しの良いサウンドを展開してくれます。
ドラムやベースは音切れが良いので、ノリが良く試聴していて"楽しくなる"音創りです。

試聴を終えて

今回短い時間ですが、12シリーズのOSEモデルの試聴が叶いました。
本製品には、単にコンデンサー変更などで音質傾向を変更したモノでは無く、
ベースモデルでコストの制約上、叶わなかった部分を丁寧にすくい上げたモデルです。
ベースモデル(PM-12)の基本性能が非常に高い水準にあると共に、
開発技術者たちの12シリーズに対する音創りの自信が"OriginalSE"の刻印に表れています。
ベースモデルにもありますが、表示ディスプレイで操作を行った際に
表示を一時的に大きくしたり、CD・フォノ入力端子に厚めの1層ニッケルメッキを採用して
音質を調整・向上させるなど、多くの経験による工夫が散りばめられています。
敢えて、ベースモデルと併売でOSEモデルを出すことに開発者たちの自信が見受けられます。
車で言う所のGT(Grand Touring)に当たるではないでしょうか。
OSEモデルには、10シリーズには無い特有の"親しみやすさ"を感じました。
PM-12 OSEは、音楽本来の楽しさを教えてくれる重要なポジションを担うと思います。
今後、伝統の"PMシリーズ"から多くの名機が生まれる事が期待できる仕上がりと感じました。

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