2024年2月 LUXMAN L-505Z 試聴レポート

LUXMANのZ世代の末っ子、505Zの試聴レポートして行きたいと思います。
AB級のプリメインアンプで、価格は385,000円(税込)になります。
外観や技術的な解説はメーカーHPをご参照下さい。 →詳細

試聴を終えてL-505Zに持った印象は、“Z世代のLUX TONE”です。
LUX TONEとは、SQ-38(真空管式)から脈々と続くLUXMAN独自の音色の総称で、
豊潤で柔らかい暖色系の音色は、LUXMANが生み出した偉大な発明と言えます。
それでは、肝心の音色と何故、Z世代のLUX TONEなのか?を書き進めます。

まず、最初に聴いて驚いたのが本機の“トータルパッケージの完成度の高さ”です。
言い変えると、価格に対して提供される製品の仕様と購入した時の満足度が
LUXMANの中でもTOPクラスに良い製品である印象を私は持ちました。
製品としては、全体的に前作を大きく上回る表現力を確保している印象、
ハイレゾ音源に必要な解像度、定位感、空間表現やレスポンスも向上しています。
上位モデル開発で得られたLECUAやLIFESなどの経験値が反映された印象です。
昨今の資材高騰などで大きな値上げ幅となり、
“38.5万円の505”を505と名乗ってよいのか?些か困惑する次第ですが…
505Zに関しては、“505”と言う枠を外して頂くと納得いただける内容と言えます。
LUXファンなら“505なのに38.5万円は~”みたいな事を言うのは辞めましょう。

次に聴感としては、
中高域は綿密で滑らか、強調感は無く上品な音色、高級MCカートリッジの様です。
低域は中高域に比べてやや慎ましい印象、大音量で無い限りは十分です。
この慎ましい低音が、中高域の音色を際立たせ、本音色の個性になっています。
若干、粗い録音でもマイルドで上品な再生になる印象が有り角が丸い印象ですが、
ただ甘いのでは無くて、甘味料を加えていないビターチョコレートの様なイメージです。
本来の録音(風味)を理解しながら加筆、シナジー効果を発揮している印象です。
ストリングスや女性ボーカル、派手さを好まない金管楽器などにお奨めです。
また、音色も暖色よりはやや温度が低い熱感で、
暖かさが前面に来るよりは、初秋の日が落ちた頃の“涼しさ”を感じる印象です。
情熱的に正面から対峙するよりは、やや一歩引いた俯瞰の距離感、
再生音に軽やかさが有り、ベタ付きの無いサラッとした清涼感のあるサウンドです。
この清涼感は、SACDプレーヤーのD-07XやD-10Xにも感じ取れた感覚なので、
私見ですが、“Z世代のLUX TONE”は、この“清涼感“の事を指すのかもしれません。

近年、各メーカーと比べても割と個性を持たせた(攻めた)サウンドデザインです。
どのメーカーも主力にあたる機種でリファインを続けると、弱点が無くなる半面、
売りとなる個性が薄くなり、割とフラットで当たり障りのない製品になりがちです。
その点、LUXMANブランドは次の新しい“LUX TONE”に向けて動き出しています。
505Zは、多くのユーザー様へ新しい“風”を運ぶ大事な役目を背負っています。
ある意味、Accuphase E-280(39.6万円)とは対極にある製品なので、
良いライバル関係として、このクラスを盛り上げて行ってほしいと思いました。
個人的には、L-505ZもE-280もどちらも好きなアンプなので…

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