2020年 09月 marantz MODEL 30 & SACD 30n 試聴レポート

メーカー営業様のご厚意でmrantzの新製品、30シリーズの試聴をさせて頂きました。
ネットワーク機能を搭載したSACDプレーヤーがSACD 30nで価格は税別で27万円です。
もう1台のプリメインアンプがMODEL 30で、プレーヤーと同じ税別で27万円です。
ここでは、marantzが新たに送り込んできた新機種をレポートしたいと思います。

試聴に使用した機種は下記の通りです。
marantz SACD 30n / 270,000円(税別)- ネットワークSACDプレーヤー
marantz MODEL 30 / 270,000円(税別)- プリメインアンプ
B&W 805D3 ローズナット / 880,000円(税別/ペア)- スピーカー

意匠について

これまでのニュープレミアムシリーズとは異なるデザイン記号が採用されています。
アンプ・プレーヤー共、ボタンなどを完全にシンメトリーで配置しており、
徹底的に全体のバランスに配慮した、手の込んだデザインとなっています。
歴代のデザイン記号を巧みに取り入れながら、新しくもあり懐かしくもある印象です。

まずMODEL30は、ボリューム類が全面パネルに配置され、従来より直感的に操作できます。
つまみ類を減らしてリモコンなどに統合した場合、設定方法などを忘れがちです。
多機能は昨今のアンプ類の宿命とも言えますが、
この変更点だけでも、marantzを選択する潜在的ユーザーは増えるのではないでしょうか。
物理的なボリューム類を増やしながら、シンプルなデザインを保っているので良い設計です。

次にSACD 30nですが、アンプと同様徹底してシンメトリーにボタン配置がされています。
アンプと上下に並べた時の一体感がすごくあり、"アンプだけ他メーカー"を許しません。
日本語表示対応で3行表示出来る有機ELディスプレイは視認性にすぐれています。
ディスプレイと機器のデザインバランスは通常難しく、小窓のケースが多いのですが、
パネルエリアを立体的に区切って、違和感無く上手くデザインに落とし込んでいます。
携帯端末では無く、意外と本体画面を使用するユーザーは多いので、
大画面を確保して利便性を損なわず、デザインも工夫されており、良い設計です。
最後に機器のデザインとは関係ない話ですが、30シリーズのwebページだけお洒落です。
marantz SACD 30n → →メーカーwebページを見る。 
marantz MODEL 30 → →メーカーwebページを見る。 
他ページそのままなので、今作のデザインに対する意気込みが感じ取れます。

技術について

アンプに関しては、デジタル入出力系を排したシンプルで純粋なアンプです。
スイッチング・パワーアンプ・モジュール"NC500"を採用、
200W(4Ω)の出力を確保しているので、同価格帯のアンプとして十分な性能です。
次に、ネットワークSACDプレーヤーですが、
同コンセプトのND8006がCDのみ対応だったのでSACDが再生可能なのは大きな魅力です。
SACDメカエンジンもSA-12用のものをベースに専用設計の"SACDM-3L"を搭載。
ネットワークプレーヤーに、ただSACDメカを付けたものではありません。
D&M製品は随分前から積極的にネットワーク系製品をリリースしています。
Amazon music HDほか各ストリーミング・サービスに対応、
Amazon Alexa搭載デバイスから音声コントロールに対応、新たな価値を築いています。

音質について

まず、今回の試聴ではネットワーク接続やUSB等のデジタル音源を試していません。
CD及びSACD再生にての感想を書いておりますので、予めご了承下さい。
従来のPMやSAシリーズと比べ、やや中立的な音の印象を受けました。
中立的と言う意味は、平坦と言う意味合いではありません。
過去の同社の同価格帯の14S1や13S2は中高音に音の特徴があり、
美音でややスレンダーな印象を受けるヨーロッパ調のサウンドイメージでした。
今作は、パワーアンプ・モジュールの恩恵か中低音が以前より安定しており、
下が安定した事で、総じて全体のバランスの取れた印象です。
癖が少なめで、様々なジャンルの音楽に対応してくれる印象です。
marantzの濃い味は同社12OSEに任せ、より本機の立ち位置を明確にした印象です。
外観デザインだけで無く、サウンドデザインでも新たな価値を見せて頂いた印象です。

試聴を終えて

私はmarantzといえば、MODEL○○のイメージが強い世代なのですが、
今回の"30"は、古き良き時代の名を借りた最新鋭のmarantz戦略モデルになります。
MODEL○○の最後の機種は1998年発売の真空管プリメインアンプ"MODEL66"が
復刻モデルを除くと最後だったと思いますので、時間の流れを感じさせられます。
昨今のコロナ渦とAmazon music HDのリリースの影響か、自宅で音楽鑑賞の需要が増え、
より上質なモノを求める流れにmarantzがうまく乗る形となりました。
ただ、製品開発は時間が掛かるので、タイミング的には偶然と思いますが…
marantz製品は、10万円以下でのネットワーク系製品が充実しているメーカーです。
ネットワーク系の操作は同じなので、機種を乗り換えても戸惑う事はありません。
30万円前後のネットワーク機が不在だったので、本機はそこを補う重役を担います。
音楽の楽しみ方も、ひとりから複数でリビングでと変化してきています。
30シリーズは、新たな需要層を堀り起こす大きな役割を持った野心作と言えます。

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