2021年 5月 ジークレフ音響 WELLDELTA 試聴レポート

今回は、 “WELLFLOAT”シリーズでお馴染のジークレフ音響の新製品のご紹介です。
仕様によって、スパイク受けやインシュレーターになるユニバーサルな製品です。
当店でも同社オーディオボードを導入頂いたお客様が多いので、非常に楽しみな試聴です。

3種類の仕様から選べ、各価格は下記の通りです。
05mm高アルミリング付き (スタンダードモデル) 36,300円(税込)/1個
20mm高スパイク用ブロック付き(アルミ削り出し) 39,600円(税込)/1個
28mm高フラットブロック付き (アルミ削り出し) 39,600円(税込)/1個
※設置機器によって、3個又は4個での使用になります。

意匠について

“DELTA“の名の通り、一辺が150mmの正三角形に3個のフロートメカを搭載しています。
ベースはステンレスで製作、正三角形のラインをメカ設置部分より少し内側に切り込む事で、
より締まったキャラクターラインを形成、設置に関係ありませんが手の込んだ仕上げです。
大体CDケースの大きさ位なので、お手持ちのCDケースでサイズ感を測ると判り易いです。

メカ・カバーの樹脂(黒)製以外は金属製なので、重量感と高級感があり満足度が高いです。
色がシルバーのみなので、今後カラーバリエーションが増えることを期待します。

技術について

独自の吊り構造を採用、内部カンチレバーが全方向の振動を水平方向の振動に変換、
振り子運動を用いて設置面からの反射や機器の共振を抑え、音の濁りや歪みを抑制します。
同社ホームページに詳しい技術解説が御座いますのでこちらをご覧ください。 →詳細を見る。
WELLDELTAは上記の機構を小型化、フロートメカを3個で耐加重250kgを達成しています。
同社では過去に、BH001、Wellfloat RING/ QuadRingなど、
フロートメカが1個内蔵タイプのインシュレーターを販売して来ました。
これらは設置の際に機器の重心を捉えないと傾き易く、設置にはテクニックが必要でした。
WELLDELTAは、メカ1個から小型化された3個のメカで支えているので安定感が格段に向上、
下方向に大きく沈む事も無く、スパイク対応仕様など使い勝手が飛躍的に上がりました。
フレキシブルな製品なので、導入機器や設置位置、個数など… 色々試せる製品と言えます。

音質について

今回は時間の関係でスピーカーのスパイク受けとしてのみ試しています。
商品は、20mm高スパイク用ブロック付きで試した結果をレポートしていきます。
まず、最初に受けた印象は、小音量時の音の座り(安定)が良い事です。
強調感が無いので、“本来の設計意図はこうである”と言う説得力がある印象です。
箱鳴りを用いたスピーカーには、その特性を過不足無く発揮し、モニター的にはなりません。
設置環境次第ですが、サウンドはややウェルバランス方向で、音楽鑑賞に過不足が無いです。
中域から高音方向と低音方向の間の繋ぎ部分も痩せたり膨れたりせず、中立的な印象です。
WELLDELTAが、各荷重に応じて独立して適正に反射・共振を制御している印象です。
車ならAWD・独立サスペンションの様な、刻々と変わる路面状況に個々で対応する印象です。
わりと淡々と仕事をこなし、設置時よりも外してはじめて効果の高さが実感できる印象です。
WELLDELTAはチェロやピアノなど楽器用のラインナップもあり、高い評価を受けています。
本製品の音楽性の高さは、楽器用の開発で培ったノウハウが多く盛り込まれている印象です。

試聴を終えて

今回ご紹介したWELLDELTAを文字で魅力を語るには非常に難しい商品と言えます。
何故なら、本製品は3次元的な動きをするので、3次元的な表現を用いる必要があるからです。
本製品への印象は、各音の到達(減衰)速度が、かなり丁寧に扱われている事にあります。
例えば、ピアノなら打鍵音、ハンマー音、共鳴板音、胴鳴き音など複数の音から構成されて
おり、当然ながら、各音の到達速度や減衰速度は違う訳です。
同時間軸でも、僅かコンマ数秒で伸びる音、減衰する音などに分かれ違う役割をします。
この音の変化(ベクトル)を本製品は丁寧に書き出していると言え、決して誇張して分離
を見せるのでは無く、あくまで自然な繋がりを維持したまま本来の姿に書き分ける印象です。
この匙加減は、録音現場に携わる同社のノウハウが大きく反映されていると思われます。
WELLFLOATボードでも同様の印象ですが、DELTAはギアが1、2段上の様な印象です。
WELLFLOATシリーズで重要なのは、確実に機器と装置を固定して動かなくする事です。
やはり小型(大きいですが…)分離で設置出来る分、共振の集まる箇所に直接設置が出来る
ので、よりフロート効果が高く、3個の内蔵メカがより強力にサポートしている印象です。
今回は、スピーカーのみ試しましたが、回転系を有するアナログやCDプレーヤーなど
ソースを扱う機器では、共振の影響が大きいので、違った効果が表れるかもしれません。
何れにしても絶え間なく改良を加え、新製品を投入する同社の姿勢には頭の下がる思いです。
設置関連の商品に、新たなアイテムが加わったことを心から歓迎したいと思います。

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