2019年 03月 L-100 Classic 試聴レポート

L-100 Classicと4312Gの試聴レポートをします。
初代機は共に1970年代に活躍、世界的には"L-100 Century"がヒットしましたが、
日本ではご存知と通り4311,4312などモニター系が大ヒットし、JBLの代名詞となりました。
奇しくも2018年に両者が揃う事は大変驚くと共に、そのフィロソフィーが普遍的であると感じました。
ここでは、L-100 Classicから報告していきたいと思います。

最初に目を引くのが、独特のフロントグリルです。
このグリルは意匠だけでなく、調音も兼ねた大変合理的な設計です。
復刻するにあたりCenturyより箱サイズを大型化、単なる復刻モデルではなく、
JBLが21世紀に提案する新しいモデルを創るという意気込みの感じる作品です。
アンプはイメージに合わせて、LUXMANの真空管アンプ(LX-380)をチョイスしました。
この組み合わせでは、中低域がたっぷりで長時間聴いても疲れない優しい音でした。
フロントグリルを外して聴いてみると、音の定位感や切れ味が増します。
好みによりますが、スタンドの選択やグリルの有無、アンプの選択で印象が変わりそうです。
特に専用スタンド(JS-120)は華奢で頼りない印象ですが、
絶妙なさじ加減のチューニングとデザインで、コンセプトを決める重要なポジションにあると言えます。
最後にこのスピーカーは、単に復刻を優先して製作されたのではなく、私たちのライフスタイルの中で
長く付き合える素質(デザイン・サウンドなど)を持ったスピーカーと言えます。
試聴を終えて
L-100 Classicと4312Gは共に1970年台にルーツを持つ製品達です。
両者ともK2 S5800で培われたユニットや技術を用いて開発されました。
この双子の兄弟達は明確なコンセプトの下、全く違うサウンドを提供してくれました。
4312は半世紀にわたり改良を加えながら"G"モデルまで成長を続けました。
L-100は半世紀の時を経て、再度私たちの前に戻ってきてくれました。
2018年にこの兄弟達が再び出会った偶然が、今回の試聴会の最大の意義だと思います。
JBLは、創業者を始め多くの技術者の情熱と先進的な製品で世に問いかけて来ました。
そしてこの面白いメーカーには、まだ沢山の遺産が眠っています。
これからもJBLはそうであって欲しいと願っています。

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